多品種変量生産とスパイク需要にも対応するNAITOの受託製造サービス

製造業は今、かつてない変革期を迎えています。新型コロナウイルスのパンデミック、地政学的リスクの高まり、そしてサプライチェーンの分断化により、従来の大量生産・一括調達型のビジネスモデルは大きな課題に直面しています。
製造業が直面する3つの課題
市場ニーズの多様化と
短サイクル化
- 製品ライフサイクルの短縮化
- カスタマイズ要求の増加
- 市場投入までのリードタイム短縮要求
環境変化による
需要変動の激化
- パンデミックや自然災害による急激な需要変動
- 季節性や市場トレンドによる変動
- SNSなどによる急激な需要増加
サプライチェーンの
不確実性
- 原材料の調達リスク
- 物流コストの上昇
- カントリーリスクの増大
これらの課題に対応するため、製造業には「多品種変量生産」と「スパイク需要への対応力」が不可欠となっています。
NAITOの受託製造サービスは、変動的な生産依頼と短納期要求に応え続けてきた実績から得た生産ノウハウと、長年培った精密加工技術、充実した設備力を活かし、これらの課題に対する包括的なソリューションを提供しています。
さらに、約20社を超える協力企業とのネットワークにより、需要変動にも柔軟に対応可能な生産体制を確立しています。
本記事では、具体的な事例を交えながら、NAITOの受託製造サービスが提供する解決策についてご紹介します。
多品種変量生産の課題と解決策
多品種変量生産とは
多品種変量生産は、複数の製品を効率的に生産する製造方式です。製品ごとの生産量や生産タイミングを柔軟に調整でき、市場ニーズの変化に迅速に対応することができます。
特徴とメリット
- 市場ニーズに応じた柔軟な生産調整
- 在庫の最小化によるコスト削減
- 設備稼働率の最適化
- 短納期での製品供給が可能
実現のための重要要素
- フレキシブルな生産設備
- 効率的な生産管理システム
- 高度な品質管理体制
- 熟練した製造技術
NAITOでは、長年のアミューズメント機器製造事業における変動的な生産依頼への対応で培ったノウハウを基に、これらの要素を総合的に備えた受託製造サービスを提供しています。
1. 設備体制
射出成形設備
- 本社第一工場:75t〜850tまでの成形機を配置
- 本社第二工場:50t〜450tまでの成形機を配置
- ニューナイトー:75t〜650tまでの成形機を配置
- 合計33台の射出成形機による柔軟な生産体制
測定・検査設備
- 3D測定機による高精度測定
- 画像寸法測定器による多彩な測定機能
- X線断層撮影装置による非破壊検査
試作開発設備
- 光造形機による試作品製作
- NC加工機による精密加工
- 社内加飾設備での塗装対応
2. 品質管理体制
- ISO9001品質マネジメントシステムに基づく管理
- 高感度デジタルハイスピードカメラによる検査
- 恒温槽による温度・温湿度サイクル試験
スパイク需要への対応戦略
スパイク需要とは
季節要因や市場環境の変化により発生する急激な需要の増加を指します。近年では、SNSでの話題化やサプライチェーンの混乱などにより、予期せぬスパイク需要が発生するケースが増加しています。これに対応するためには、生産能力の柔軟な調整と迅速な供給体制の確立が不可欠です。
NAITOは、長年にわたり短納期要求に応え続けてきた実績があり、以下の3つの体制を整備することで、スパイク需要に対する高い即応性を実現しています。
1. フレキシブルな生産体制
組立ライン
- 30〜40名規模の組立ライン10ライン確保
- 50mの作業台による柔軟な生産対応
- 作業内容確定後1週間での出荷体制
人員体制
- 熟練パート作業者50人の常時確保
- 最大350人規模までの作業者動員が可能
- 多能工化による柔軟な人員配置
2. 製造環境の整備
- 加湿装置による温湿度管理
- 静電対策された作業環境
- クリーンルーム環境での製造対応
3. 協力企業とのネットワーク
- 約20社を超える協力企業体制
- 一度に300型以上の成形実績
- 地域に密着した協力体制
業界別の活用事例
1. 工作機械・産業機器
シグナルタワーの開発
- 高度な製品設計から電子回路設計まで一貫対応
- 独自のLED技術を活用した視認性の実現
- 工作機械用表示灯としての採用実績
2. 電気・電子機器
充電スタンド開発
- 製品構成図・電子回路図の作成
- 市場テスト用試作品の3週間での納品
- 量産を見据えた仕様最適化
3. 環境・ヘルスケア製品
UV-C空気清浄機の開発
- 機構設計から性能評価まで一貫対応
- 厳格な品質基準に基づく製造
- 生産用治具の内製化による効率化
NAITO受託製造サービスの今後の展望
製造業界では、多品種変量生産とスパイク需要への対応が求められる新たな市場が急速に成長しています。
とくに近年では、バイオ医薬品や医療機器などのCDMO(Contract Development and Manufacturing Organization 受託開発製造機関)事業が、国内外で活況化しています。
これは、「製品開発」と「製造」を分離して、まず、メーカーは、円安を背景とした世界的にも通用する新たな「製品開発」に集中します。この開発原資を支えるのは、長年、製造・販売をしている製品などで、今後、売上増が見込めない事業や止めずらい事業をCDMO企業へ製造委託することで、追加で得られる利益です。
CDMO企業は、経験上、スピーディ・フレキシビリティ・低コスト化に優れています。CDMO企業の受託(発注先)製造に切り替えることで、委託(発注元)メーカーは、製造費・人件費・管理費などが、ある程度の固定化や標準化することができます。この安定した運用が出来ることで経営体質の強化が可能で、副次的に優秀な社員の募集なども検討ができます。
これらにより、メーカーは、新たな「製品開発」にフォーカスし、「製造」のための余力をより高度で優位性のある製品開発が容易になります。CDMO企業との連携関係も、益々、強化され、今までにない新たなビジネスモデルも生まれています。 注意すべき点として、CDMO企業への委託は、高品質な製造環境と厳格な品質管理だけでなく、「多品種変量」で且つ、パンデミックなどで需要がスパイクしても安定して対応が出来る信頼ある企業を選定することが重要です。
NAITOでは、これまでの製造実績と技術力、さらに医療機器製造販売業(第二種)許可、クラスII(管理医療機器)認証を取得した高品質な製造環境と柔軟な生産体制を基盤に、以下の3つの方向性で「医療機器・ヘルスケアCDMO事業」に取り組んでいます。
1. 最新の技術力
- 光造形を活用した迅速な試作と性能評価
- 豊富な開発実績に基づく高精度加工技術
- カスタマイズ要求に対応可能な設計・製造体制
2. 高品質な製造環境
- ISO9001認証、医療機器製造販売業(第二種)許可、クラスⅡ(管理医療機器)認証
- クリーンルーム環境での製造体制
- 徹底した性能評価と品質管理システム ※ISO13485取得予定
3. 「多品種変量」製造体制
- スパイク需要への即応体制の構築
- 小ロットから大量生産まで対応可能
- 24時間稼働による短納期対応
特に今後は、ヘルスケア製品やUV-C空気清浄機の開発で実証された当社の技術力と品質管理体制を活かし、より高度な製造要件が求められる新分野への展開を進めてまいります。
感染症対策製品や環境配慮型製品など、社会課題の解決に貢献する製品開発においても、当社の「多品種変量生産」と「スパイク需要への対応力」を活かしたソリューションを提供していく予定です。
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